ART FAIR PHILIPPINES 2020
2020/02/21 - 23
@The Link Ayala Center Makati (6th Level – Booth 40)
今回の展示では、日本的な土着の世界を、世界の文脈、あるいは現代の文脈の中で捉え直し、強くメッセージを発する美術家たちを選んだ。
現代アートの文脈は常にコンセプトの更新、あるいはアートの存在を問い直す、あるいは素材とアートの関係を変化させるということが必須であるが、それに加えてアジア的なもの、あるいは日本的なもの、特に世界において日本文化がどのような意味を持つかを問う日本の画家・美術家たちを紹介する。
木原千春は野生の画家だ。彼女は紙に向かって筆だけではなく、指先も使って一気にイメージを作っていく。蜘蛛や鳥や野生の動物たちの鼓動が、彼女の指先から立ち上がる。時には写楽の役者絵も再現するそのカラフルな絵は、誰にも似ていない。日本の土着をテーマとする今回の展示にもっともふさわしい。
上根拓馬の作品は、日本の新旧の文化を、現代の日本を表すメタファーとして造形する試みである。時には本物の動物の骨を「顔」に持つ彼の作品は、日本的なものとは何か、という主題を追求する。
柿沼弘樹はパノラミックな油彩画の中で、人類と異星人が出会うSF的な舞台を演出する。
この度秋華洞に移籍した蒼野甘夏は独学で学んだ伝統技法でチャーミングな男女がセクシャルな示唆を示しつつ明るく遊ぶパラダイスを描き、クスミエリカは自ら撮った人体や建物の写真をコラージュして巨大で幻想的な世界を描く。
スペイン現代リアリズム絵画を学んだ原崇浩の筆致は、日常に潜む「存在」に向き合う。あらゆる事物、そして其の生と死に気取らず向き合う姿勢が、彼の仕事に普遍的な美しさを与えている。
Artists
柿沼 宏樹
1985年東京生まれ。2011年武蔵野美術大学修士課程油絵コース修了。
柿沼は異物と人間、異常と日常の交わり合う壮大なパノラマを描くのを得意とする。
柿沼は異物と人間、異常と日常の交わり合う壮大なパノラマを描くのを得意とする。
上根 拓馬
日本の子供はロボットヒーローが大好きである。上根の作品は、日本の新旧の文化を、現代の日本を表すメタファーとして造形する試みである。時には本物の動物の骨を「顔」に持つカミネの作品は、日本的なものとは何か、という主題を追求する。
クスミ エリカ
写真家でウェブデザイナーでもあるクスミエリカはロジカルでクレバーな写真画家だ。コラージュ技法は普通雑誌などの切り抜きを使うが、彼女は自ら撮影した素材を用いて、計算され統合された視覚の意表をつく驚くべきイメージを提供する。
木原 千春