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ART SOLO 2022 | チン・ペイイ個展 -春日-

2022/04/15 - 17

ART SOLO 2022 | チン・ペイイ個展 -春日-

2022/04/15 - 17
@EXPO Dome, Taipei Expo Park

本展覧会において私達は才能あふれる台湾人作家、チン・ペイイ(陳珮怡)を紹介する。
私達は彼女を「東洋一の猫描き」と呼んでいる。彼女の絵の特徴は、猫を「可愛らしいもの」という定義とか観念から解き放っているところにある。猫と共に生き、猫たちのありのままの姿を描く。

チン・ぺイイ(陳 珮怡)「虎嘯」
チン・ぺイイ(陳 珮怡)「虎嘯」

猫と共に生き、猫たちのありのままの姿を描く

私達は彼女を「東洋一の猫描き」と呼んでいる。彼女の絵の特徴は、猫を「可愛らしいもの」という定義とか観念から解き放っているところにある。猫と共に生き、猫たちのありのままの姿を描く。

チン・ペイイ 画室7

彼女が使う「膠彩」という技法は、膠で墨や色絵の具を溶き、定着させる東洋共通の技法だが、直接的には日本で開発されたものである。だが、彼女の技術は日本人画家が用いるいわゆる「日本画」的なものとはかなり異なる。絵絹や紙の上に緻密に展開される彼女の色は、強く東洋的なエネルギーに満ちており、日本のどちらかといえばどこかソフトで取り留めのない、曖昧をよしとするものとは対照的である。その色と形は際立って強く、実は猫がいようといまいと輝く絵画の層としての美しさを主張している。見るものが共感しやすい「猫」が画面中を躍動するが、実は動物など一切登場しない抽象絵画となったとしても絵は成立するであろう。

チン・ぺイイ(陳 珮怡)「白玉枕」
チン・ぺイイ(陳 珮怡)「白玉枕」

彼女の「猫」の周りはかなり厳密に設計された絨毯や引用された別の絵画などで埋め尽くされて、見るものを陶酔へ誘う。ときには窓外の光や風を感じさせる描写は、個人の記憶の奥底に沈む「室内風景」のリアリティを示す。

彼女は実際に猫と暮らし、それを写真に撮り、エッセイを添えて、毎日のようにSNSにアップする。そのシンプルな暮らしぶりと、小さな世界に見える宇宙のような心の広がりは、日本の画家・クマガイモリカズが自宅を一歩も出ずにすごした30年に生み出された素晴らしい作品群を思い出させる。心の平安というものがどのようにもたらされるのか、人は彼女の文章と絵画から学ぶことができる。

チン・ペイイ アトリエ

単に猫好きだから、流行っているから猫を描くわけではない。あえて避けていた時もあった。題材としてどう感情移入すればよいか最初はわからなかったと言う。研ぎすまされた感性で描いた猫と絨毯は人々の心を捉え、注文が殺到しているが、「私はまだ絵のスタイルと模索している最中」とその姿はあくまで謙虚だ。

本企画において、彼女の新作の数々を是非お楽しみいただきたい。

 

ART SOLOは2022/04/14より台北にて開催

Artist

チン・ぺイイ(陳 珮怡)
台湾生まれ。2011年東海大学大学院美術研究専攻修了。 膠彩で人物と猫を描く台湾の画家。今、最も話題の「猫描き」である。

Map

EXPO Dome, Taipei Expo Park
No. 1, Yumen St, Zhongshan District, Taipei City, Taiwan