坂田源平・三松拓真 二人展「Utopia」
2023/06/16 - 07/01
@GALLERY SCENA. by SHUKADO
GALLERY SCENAでは、「Utopia」と題しまして、ユニークな木彫作家の二人展を行います。
無邪気で素朴な表現で、おかしみや悲哀、可愛らしさをもつ動物達をつくる坂田源平。
車や動物などをモチーフにエネルギッシュな彫刻作品を生み出す三松拓真。
両者共に木彫作品を中心に作品を発表する作家ですが、今回の展示では平面作品も含め立体的に構成します。
ユーモラスで不可思議な世界をお楽しみください。
今回の展示では下記のイベントを行います
Opening Party
日時:2023年6月16日(金)17:00-
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坂田源平 SAKATA Genpei
「なんかいい」そう思ってもらえたら
僕はうれしい。
「なんかいい」というのはなかなか難しい。
よく分からない。何か知らないけど。
そういった言葉の後ろに付いてきたりする。
なかなか紙一重な言葉になる場合もある。
作品を見てもらった人に
よく分からないと言われる事がある。
そこで言葉が止まる場合もある。
しかしその後ろに「けど、なんかいい」が付くと全てが一変するのである。
言葉で言い表すのが難しい。説明することが出来ない。でも好きである。
そういったことが「なんかいい」なのだと思う。(坂田源平)
三松拓真 MIMATSU Takuma
6年前、大学に通うために新天地に移り住む時期にいた私は、ある映像を見ていた。
その中には街を颯爽と駆け抜けるお洒落な若者と自転車が写っていた。
そんな映像とこれからの大学生活を重ねて膨らんだ期待をそのままに、映像の中に映る自転車と同じものを購入した。
家に到着した自転車、あるいは彼が持っているそのスポーティーな出立ちは私の思い描いていた姿そのものだった。
一緒にいた家族は今でもそんな私と彼が出会った日の姿を覚えているだろう。
しかし、想像していたよりも新天地は山ばかり、彼ではとても長い急斜面を登り切ることはできずに気がついた頃には自宅のベランダで埃を被っていた。
最近、引越しにあたって自宅を整理していた時に、ふと彼の事を思い出した。
犬を含め、いくつかの生物は「帰巣本能」を持つという。それは離れた場所からでも自分が帰るべき場所へと向かっていく力である。
私と共に居た場所は、彼にとって帰るべき場所になれていたのだろうか。
今回、展示が決まった時に改めて彼の存在を思い返す。今でも人や車、ビルの間を颯爽とすり抜けていく、そんな彼の姿を思い描いてしまう。彼の「巣」は、そんな都会にあるのではないだろうか。
ちょうど、私が画面越しに夢を見ていた都会の中に。(三松拓真)